日本ペイントマリンの次世代ナノドメイン加水分解型船底防汚塗料「FASTAR」が、日本化学工業協会(JCIA)第56回環境技術賞を受賞しました。
親水・疎水ナドドメイン構造を有する樹脂を採用したFASTAR(ファスター)は、独自の低摩擦技術であるウォータートラッピング技術を付与することで低摩擦と低燃費を実現するタイプをラインナップした次世代型加水分解船底防汚塗料であり、2021年の市場導入から1000隻以上の船舶に採用されることで、海運業界の脱炭素化と持続可能性の向上に貢献してきました。 燃料消費量の削減と海洋生物および環境保護への貢献が認められたFASTARは、日本化学工業協会からこの名誉ある賞を受賞した初の船舶用塗料です。
この賞は、優れた化学技術の創出を通じて化学産業の発展に大きく貢献した革新的で優れた化学技術や製品を表彰するもので、日本の化学産業に携わる258の企業や団体を代表する日本化学工業協会が主催しています。
化学業界全体から集まった業界専門家の著名な委員会によって、技術力と製品性能の両方に焦点を当てた厳格な審査が実施されました。
多くの船底防汚塗料は、防汚剤を海中に放出することで、船体に海洋生物が付着するのを防ぎます。FASTARは、ナノサイズのドメイン構造により、従来の製品よりも防汚剤の溶出効率を向上させ、溶出される防汚剤の量を最大 35% 削減させます。また、 FASTAR は特許取得済みのウォータートラッピング技術を付与することで、船体と水との摩擦を大幅に低減し、従来の船底防汚塗料と比較して燃料消費量とGHG排出量を最大8% 削減できることが実証されています。
海運業界でサステナビリティへの注目が高まる中、 FASTARのような革新的なコーティング技術は、海洋環境を保護し続けながら船隊のGHG排出量を削減する船主や運航者の取り組みをサポートするコーティングソリューションです。
日本ペイントマリンの技術本部副本部長である鍛治氏は、「日本化学工業協会の環境技術賞を受賞できたことを大変光栄に思います。この名誉ある賞の受賞は素晴らしい功績であり、当社の研究開発チームの懸命な努力の集大成です。FASTARがこの栄誉を受賞した最初の船舶用塗料であるという事実は、当社の歩みにおいて重要な節目であり、海運業界におけるGHG排出量を削減する技術が果たす重要な役割を明確にしています。日本ペイントマリンの研究開発チームは、自然環境の保護と調和しながら、技術革新への取り組みを今後も推進していきます。」と述べています。